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on Bruce Weber と 帰り道
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スポットライトが友達になるのは誰にでもある経験だろう。
ステージに降り注ぐ二対の瞳達はまるで流星群のようにこちらに向き、
まるで吸って吐く息の微塵までもが観客に応える。
心臓の高鳴りは躍動感を急騰させ、耳なりは
観客のざわめきと共鳴して心地よい振動を伝えてくる。

燦々と落ちる白熱灯の光は、静まり返った空気を芯から温めながら
次のパフォーマンスのベンチウォーマーとして包んでくれるのだ。
その時、自分は初めて
ポップスターとして覚醒する。

やがてショーは終え、拍手と共に闇夜が舞い降りてくる。
本物の流星群はとうに丑三つ時の漆黒にさらわれ、
深々と凍り付き始める白い息は一瞬にして命を奪われていく。
さぁ、帰ろう、と自分に言い聞かせるポップスター。

誰しもが憧れるそんなスターも、みんなよりも少し
遅れて帰りの淋しい淋しい帰路に立つ。片割れは、色あせた
メイキャップと、哀愁漂う衣装にしがみついた熱気の
残骸だけ。それが帰り道だ。

秋はなにかとそんな夜道を創造してくれる。
最後はみんながみんな一人で帰るんだ。

先日、アメリカ人の写真家、ブルース・ウェーバーの
写真展を訪れた。彼の写真は、滴る雫は肉体美を
演出する最高のメソッド。 彼の白黒写真群は
ポップスター達が踊って黄色い声援を浴びるステージのよう。
そんな中の、一つだけ覚えて帰りたいメッセージ。

"While you're on stage, the audience     「舞台の上にいる間は、観客が
 is standing and applauding and yelling,   立って拍手喝采し、そして熱い声援を 
 but when you get home, you take off    送る。それが、自宅に戻り、洋服をすべて 
 all your clothes, and get into bed alone   脱ぎパジャマに着替え、一人で床につく時だ。
  - and that can really do something to    我々が精神的にも情緒的にも
 your head and heart."            一番参ってしまうのは」
        -Bruce Weber


 ちょっとだけの気休めでもよいし、
 ちょっとうそだってよい
 ちょっとだけそれでほっとできるから
by eclipseted | 2005-11-02 00:24 | [場places所]
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