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on 1.3%以上の勇姿
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街を足早に歩いていると、妊婦(さんをつけるべきか)の
姿が度々目に留まる今日この頃。
ついついお腹周りに気持ち多め分の体重を抱えているだけなのか
なと思いきや、確実に妊娠8,9ヶ月と分かるお腹だったりする。
少子化社会と言われているものの、右手に紀伊国屋の買い物袋と、
左手に麦わら帽子をかぶったやんちゃ坊主(二人!)の手を繋いでいる光景
を見ると、頭の中ではそれは想起されない。

表参道、United Colors of Benettonに入り、秋冬ものの
ウールのいささかちくちくしすぎるセーターを手に取りながら
ふと鏡に目をやると、同じ秋色をしたニット帽を深くかぶりながら
ガールフレンドと、ショッピングという名の至福の一時を過ごす
女性がいる。彼女も8ヶ月ぐらいだろうか。

ざっと暗算をすると、女性の平均出生率が一人あたり、1.288人。
子供を産める、いわゆる適性年層を考えると、若くて18歳ぐらいから
高齢妊婦と言われる35歳までの17年。今は高齢化、晩婚そして
キャリアを積んだ後の女性の妊娠が浸透しつつあるので、35歳では
なく、42歳と考えても、24年。24年には288ヶ月あり、
お腹の中の赤ん坊が成長して目に見える変化が起こるのが、
9ヶ月のうちの最後の3ヶ月と考え、その状態が1.288回
訪れるとする。すると街を歩いていて見かける18歳から42歳
ぐらいの女性が妊婦さんであると見て確認できる確率は1.3%みたいだ。
100人に1人。しかもより幅広い年齢層の女性が歩いていることは
言うまでもないことなので、見かけるか見かけないかだとするとやっぱり
よく目に留まる気がする。

これはおそらく僕がフラフラで歩いている「街」は限りなく偏りを
持った都内の中心地でもあり、何かと流行に魅了されて
訪れる女性の絶対数が多い場所だからかもしれない。
あるいは都内の一等地に居住できるカップル・家族が局地的に
増えているから、これらの場所が「自分の家の庭」になり得る
からかもしれない。
それともマタニティウェアがワードローブの一部になり得るもの
として扱われるようになりはじめているからなのか。
もしかしたら今までは、ごくごく普段から身の回りに見慣れていた
妊婦さんが、やはり無意識のうちに少なくなっているから
目立つようになったのかもしれない。
どれかは分からない。

しかしいずれにせよ、個人的な意見だけれど妊娠している女性を
見ると、とてもしゃんとしていて至極頼もしく見える。
郵便を投函していても、キャラメルフラペチーノを頼んでいても、
「コトラーのマーケティング入門」を立ち読みしていても、
席を譲ってもらって「ありがとうございます」と一言言っていても
みんな背筋がピンと伸びていて、揺らぎない自信を感じさせられる。
それはなんとなく、強い眼差しから伝わる圧倒的な覚悟と、
自分の分身のような命を授かっているこの上ない愛情との
混血によって宿る落ち着きみたいなもの(なのかな)。

それともう一つ見ていて気持ちよいのが、周囲の人間が一瞬だけ
見せる安心した、微笑みにも似た視線。課長にどやされようが、
部活後に10キロ走らされようが、メイクがうまく肌に乗らなかろうが、
はたと気づいた時にみなが見せる、人間らしい表情がすごく新鮮だ。
どんなに我々が人間離れしていっても、みんな原点は一緒。
そしてそれはこれからも変ることはないんだという
確信に自分は少しほっとする。


そんな人々も、そんな妊婦さんも、
人間として立派だし、かっこよい。
ちょっと奮い立たされて、いつもより背筋を
ピンと伸ばしたくなる気分になる今日この頃だ。
by eclipseted | 2005-08-20 02:24 | [友people達]
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