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on 手話周期律表
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課題が好きだった。趣味で、トレーニングで、プライドだ。

フィールドワーク法という、身の回りやある特定の場所で
起こっている事情を、客観分析するための手法を学ぶ授業で
課された課題。端的に言うと、ある場所を決め[フィールド]、
そこで観察や張り込みを続け、五感を働かせてそのフィールド
の特徴やルールを見つけ出すというもの。
僕は電車の乗客の荷物の持ち方によって、
あるメッセージが発せられていることに注目した。

女性が二人、他愛無い話で盛り上がっている。
「だからお父さん、さやかの部屋に飾ってある
 たかしの写真見ると、露骨に不機嫌な顔するの」
「そりゃそうだよぉ だってどこの馬の骨か分からない
 へらへらした男が、自分の大切な娘をとりにきてる
 と思っているんだもの」
「だから今回の温泉旅行も、まずお母さんに許可をもらって
 それで後からお父さんに伝えてもらうの」
「去年のイタリア旅行も実はまだ言ってないんだよね...」

会話は思いの外、みんなが聞いている。
けれど、言葉を発していなくても、僕たちは身体を駆使して
メッセージを発信している。
いい例が手話。難聴障害を抱えている方は、電車に乗ると、
なにが「聞こえる」のだろうか。
少し立場を変えて、人が無意識的に放っているメッセージを
手話文字として分類する。
ひたすら電車の中で、例えその行為にモラルとの兼ね合いがあり、
暴力的であったとしても、写真を撮る。
スケッチでもよいのだ。
しかしながら、忠実生を欠くということで写真を好んで
使った。人が携帯電話を持つ仕草、つり革を引っ張る様子、
鞄を膝元で抱え込む姿。そこには手の動きがあり、
聞こえる人ぞ聞こえる、メッセージが常に放たれている。
乗客の手をコミュニケーションの道具として捉え、
それを記録する。ひたすら。
あれは「れ」
こっちの手は「み」
彼は「よ」と「よ」

携帯電話の持ち方や、鞄への手の添え方って
実はそう何百通りもないんだよね。
そして規則性を見出してみた結果、
こういった手話周期律表が出来上がる。

3時間足らずで手話文字を覚えることができたこと
も踏まえると、いつになく気持ちのよい課題だった。
いささか締めがあまく、完結していない宙ぶらりんnessが
心残りだけれど、今日はこれでよしとしよう。
by eclipseted | 2005-07-08 23:10 | [設design計]
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