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on ザ・ゴール
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存在というものの意味を便宜的に際立たせるために、
あるいはまたその有限性の遠回しな比喩として、
どこかの地点にとりあえずの終わりが設定されているだけなんだ、
そういう気がした。
                        ー村上春樹


15時間履いた革靴から、180gのメッシュ繊維のスニーカーを
つっかけて、心地の良い都内の空気を吸い込みながら夜な夜な
黙々と走るのが好きだ。いまいち寝静まりきれていない広告会社の社屋
から、もう少しで堕ちきる港区の寝息を聞きに繰り出す。

表参道の交差点から、ケヤキ並木を明治神宮方面に緩やかに
続く下り坂を快走しながら、自宅の丑三つ時ゴールテープを
切ることを回想する。

補給ステーションもなければ、表彰台も完走タオルもない。
あるのは暗い部屋とベッドと次の日の目覚まし時計だ。

一夜一夜が違う赴きを見せ、その日の終わりを告げるタイムが
また一つ、記録帳に残されていく。

そこには大きなゴールは決してなく、でもその代わりに
小さな終わりを途中でたくさん作っては達成し、通過しては
またそれを繰り返すことによってこそ得られる
安心と拠り所と、そして何よりも
もっとも自分らしい軌跡だけが残っていくのだ。

とりあえずの終わり
今日の終わり
明日までの終わり
がまた一つ
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by eclipseted | 2009-05-01 02:52 | [練training習]