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on 覗いたのに怒る
ざっくりと書く

600,000人に本物の声が届きすぎてしまった話
ある女の子にまつわる、真偽の価値

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ご存知Youtubeとは、投稿された動画ファイル等を
無料で閲覧できるネット上のサイト。
生死をさまようスタント満載の自作映画が載せられたり、
著作権が俄然無視されている日本のアニメが観られたり。

そこにとある女の子、「Lonelygirl15」(動画の名前)が現れた。
この子、自分のベッドルームにビデオカメラを設置、
Bree(発音はチーズのブリーと一緒かな?)と名乗り、
自らの生活の悩みを淡々と語っていく、いわゆる動画日記を
載せてみた。

語り口調でしかも女の子が赤裸裸に悩み(例えばキスが下手)を
語る物だから、Breeファンはそのうち増えていく。
ところがちょっと前に、アメリカのとあるニュースメディアが、実はこの
Bree、実在する女の子ではなく、脚本家、舞台監督、そして
演技を学んだ女優(みんなそれぞれひよっこ)が作り上げた
キャラクターに過ぎなかった、と報道。

それが引き金となり、ファンは怒った、嘆いた、奮闘した。
600,000視聴者は「だまされた」と感じたのだ。

やっと本題。
果たして怒り奉りあげる対象になり得るのか、このBree日記動画集。
信じていたものに裏切られた衝撃があまりにも大きかったのか。
企画ものと明確にしなかったがためにとがめられているのだろうか。

番組やドラマの真偽の妥当性は、観るものの判断基準と見極めに
よって定まるもの。エセと思って観れば、それは所詮ドラマ止まり。
世に送り出した「作品」が視聴者に真実に基づいたものと
捉えられていて、でも実はそうでなかったこの動画日記。
制作者は騙したことで咎められる。ホントに妥当なのか?

制作者に、騙そうとした悪意があったかどうかは知らない。だが

覗いたのは視聴者。本気で信じたのは視聴者。
その数分間のBreeとの「会話」
に耳と気持ちを傾けたのは視聴者。

ネット上に落ちている「動画日記」は虚偽のものであっては
いけないのだろうか。
偽だと知ったらその価値は半減するのだろうか。
偽ものと本物を区別できずに、我々は抗議する
力を有するものなのか。
それとも純粋に心が動いてしまった
600,000人の失恋の補償はやはり必要義務なのか。



疑問だ。

ちょっと理解に苦しんでいたから書いてみた。
本物の空は、今日も外で澄み切っている。
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by eclipseted | 2006-09-25 08:11 | [広imagery告]
on 平たく言えば、スーパー
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Flat-out super: ただただすごい

食材
アボカド二つ            ホウレンソウの葉         大ぶりトマト一つ
ブリエ・ゴーダ・ブルーチーズ  レモン一つ             万能ねぎ
赤マグロぶつ切り         ワイン二本             やきたてバゲット
練りわさび             マヨネーズ             岩塩
オリーブオイル           しょうゆ              黒湖沼
タイム入りクラッカー

チーズは表面はタッチあり、薫るもあり
ワインはゆっくり時間をかけて完全に空ける
アボカドの種はナイフで除去
オリーブオイルは適量三倍
レモンはしぼり忘れ

家もよいけど、晴れてたら都内のどまんなか、
おへそあたりの
まっしろな玉砂利の中
その時は、眩ければ眩いほどに

Flat out super



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by eclipseted | 2006-09-19 07:00 | [懺confession悔]
on 今週第二土曜日
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明日の朝は窓辺の鳥のさえずりで目が覚め、
最初に大きく背伸びをすると
煎れたてのコーヒーの香りが胸を一杯にする。
前の晩にしとしとと降っていた小雨はすっかり止んでいて、
目映いばかりの透き通った秋晴れの空が、ブラインドに映る
青のヒューで見て取れる。
一階では父親が毎日するように、バナナとコップ一杯の
ミルクをジューサーでブレンドしている音が聞こえる。
まるで時計仕掛けのその儀式は、平日のそれとは違った
軽快なブレンド音をかき立てる。
さらに耳を澄ますと、昨夜買われたばかりの厚切りのミルク食パンが、
じりじりじりと音を立てるオーブントースターの中で、
徐々にこんがり焼かれていく音すら聞こえてくる。
勢いよくぱちぱちとはじけるのは、落としたばかりのひんやりとした
卵とフライパンの間にしかれた油素子の競り合いはちあい。バターはそのすぐあと
フライパンの縁を、黄色い筋を残して滑り落ちていく。
一階の様子が食欲をたまらなくそそる中、僕はベッドシーツから
裸足の両足を出し、柔らかく、かつ濃密な絨毯の
上にそっとおく。一本一本の指で、しっかりと床を掴み、握っては
地球の感触を確かめるそんな瞬間。
タイムズ紙の週末特集をがさり、がさりと捲る父親はやっと目玉焼きに、
今までポルチー二茸入りのオムライスから目が離せなかった
母親は、クリームと砂糖を入れた、煎れたばかりのコーヒーマグを
手にとってゆっくりと彼の向かいに座る。今日のBGMは父親の選曲、
弾き手はジョンコルトレーン。
土曜日。



目を開けると、いつもの白い壁紙の天井が目に入ってくる。
豆電球スィッチの紐に取り付けられたニモ人形。
半開きの押し入れ。
はす向かいの日立製作所グランドの定刻チャイム。
目覚める場所は松本戸塚ご用邸。
所詮、自分の部屋、自分の「水族館内」だ。
全てがこじんまりとまとまって。


でも今日は今週第二土曜日。

全てが想像範囲外になり得、
全てが自分のおもうがままに。

今日は今週第二土曜日。
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by eclipseted | 2006-09-17 01:42 | [発insights想]
on 経過の彼方
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5年の時間がたちました

知るすべてに追悼と

知らざるすべてに謝敬意と
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by eclipseted | 2006-09-11 08:39
on すごいシャンプー
美容院って、苦手。
何がって、会話と目線が実は苦手。
会話が基本なサービス業なのかもしれないが
僕は到底サービスと感じない。

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「今日はどこへいくの」から始まり、
「学生さんですか」
「へぇ、建築って本当にかっこよいですね」
「慶應ボーイはもてるでしょう」
「いいですね、お休みがたくさんあって」
というのがレパートリーだ。

一般見解としての「差」を認識される会話がそもそも
苦手なんだと思う。
帰国子女ではあるが、公平や平等にやたら繊細。
だから大さじ4杯ぐらいの偽りをまぜてなんとかセッションを
「こなしたり」、スタイリストさんの生活を話の中心に動かすのが
僕の役割。真顔でうそをつくのは、決して趣味ではないし、
その結果、何をかばっているのかが分からない。
こんな行為こそが、差別なのかもしれないけれど。

それはさておき
まだ短い髪を無性に切りたくなり、24年目にして
初めて見つけた自分好みの「剪定」をしてくれるスタイリスト
のお世話になる。
不思議なことに、そのスタイリストの手にかかると
いつの間にかカットが終わっている。
40分かけて確かに髪は切られていき、
はらはらと床に落ちてつもった毛こそが、列記とした動かぬ証拠なのに。
究極なサービス、職人業だとつくづく思わされる。

逆にそこのシャンプーにはいつもどきまぎさせられる。
未だかつてないほどの体験をしている頭皮は、もはや
何が起こっているのか分からないくらいだ。
すごいシャンプー。
どこかの国と日本人のハーフの見習いっこが丁寧に丁寧に
髪の毛に指先を通していくその手つきは、一瞬怖くなるほど
官能的。
上を向けば下あご。
前を向けば表情鏡越し。
見習いっこの肌が透き通るように白いのが
はたまたたちが悪い。

「きもちいですね、」と思わず言ってしまうと
「魂込めてますから」と彼は言う。
そう。彼だ。
きっと彼の恋人は外へ遊びにいくよりも、毎回会う約束をするたびに
シャンプーねだりをするほうが多い気がする。

そんな奇妙でヒットな美容院。
次行く時は、セーターの時期。
きっと次回も僕は相変わらず
「大学の友だちと立ち上げた、小さなベンチャー企業の
ウェブサイトデザインをしているアルバイター」

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by eclipseted | 2006-09-03 21:33 | [場places所]
on ananが育む

内面を見透かされていると感じる時ってたまにあって、
そういう時は完っ全に意表をつかれる。
マガジンハウス出版のananもその一例だ。
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たまたま職場の雑誌コーナーで目を通してみるが、
あれはすごい。
ananのすごいところは、なんと言っても
男性の行動や考え方、感じ方の特性を完璧なまでに押さえているとこ。
いたって当たり前の欲求から、きわめて複雑な
男性特有の心理を把握し尽くしている。
完全に捉えられている。
完全に脱帽だ。

しかも雑誌の姿勢としては、決して男性のmachismo(男意気)を
見下したりはせず、それを尊重しながらも女性には一つ大人を目指すよう
促している傾向がある。僕はそう思った。

つまり男性と対等に、もしくは少し上の立場から関係を築ける
魅力的な女性づくりを最終的には目指しているのだろう。
稟とした子が好みな男性は、そんな雑誌の読者に完全に
「おちる」と言えると思う。少なくとも、完全に、に極めて近づくね。

じゃあひょっとしたら逆のことも言えて、稟とした子が好みな
男性がananを読めば、女性の気持ちや行動習性も分かるってことかな。
うむ。theoryとしては悪くはない。
anan要注意。



あれほどまでに、恋愛特集と占い特集を交互に繰り返している
だけなのに読者が集まり続けるってことは、やはり男性の
インサイトをうまく発見できているからだと思う。それを
毎回の占い特集で、新しい知恵をあたかも発見したかの
ごとく感じさせる。読者を飽きさせないこのあたりに編集能力が
光る言えよう。

かたや現在の僕の仕事は、富裕層のインド人生活者が一体全体
何を感じながら生活をしているかを直感として理解すること。
anan、果たしてそんな特集はないだろうか。
インド人富裕層特集。。
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by eclipseted | 2006-09-01 00:27 | [発insights想]