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on [ナンパ] キャスパー、メルコワー、バルサザー編
 
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ナンパをされた時、それを純粋に喜べるかと言うと、
決してそうではないと僕は思う。




特にナンパ師がヒゲを生やしていたり、




綾小路きみまろにそっくりだったり
した場合は。

そもそもナンパとは、

なんぱ 0 1 【軟派】 : 遊びを目的に異性に交際を求めることをいう。
(三省堂提供「大辞林 第二版」より)

なので正確に言うと、自分はただ寝ている女性に間違えられただけ
なので、ナンパをされたわけではない。

なぜなら相手も自分んも、男と男だったから、
それはいくらひっくり返っても、
足してもかけてもどちらかが到底「異性」になることは
あり得ないから。だから厳密に言うと、
自分は、「ナンパをしていた三人組に間違って絡まれた」
ということだろう。

定義はさておき、彼らは自分の、
仕事帰り東急東横線特急深夜の聖地
にずかずかと土足で入り込み、自分のビューティースリープを完全に
蹂躙しにきた。
そもそも自分が降りるべき駅で降りずに、終点まで寝てようと
思ったことがいけなくもあるが、
しかしながら自分を女性と間違えるのは、いかんせん如何わしすぎるので
ぜひそういう時に限っては、やめてもらいたい。
ほら、すね毛とか見えないくらい酔っていたのか、すね毛とか。

それはそれと、彼ら三人組は、少なからず話しかけられたことに
興味を持ち始めた自分の受け答えに好印象を受けたのか、
自分でも満足だったのか、横浜まで一緒に帰ることになる。
その間、彼らは自分と宙で腕相撲をし、上腕二頭筋の大きさの
比べっこをし、世界で最も裕福な人種はユダヤ人だと言い切り、
「デービッズスター」を「ダビデの星」だと自分の発音間違いを指摘し、
首に下がるダビデの星のネックレスを順々に披露し、
(完全にやる気のない男の一人の胸元のボタンまでもを
彼らは開けて披露した。それはそれで立派だったと思うし、
その三人のノリ気の温度差も立派だった。) 、自分の英語の
発音は「日本の文部科学省によってかちこちに凝り固まってしまって
いるから、気をつけろ。今ならまだ間に合う」と助言をしていただき、
(うん、それすごく必要だったね)年商三億円を稼ぐが同時に八百屋を
経営していると伝え、逆に自分の確定申告ギリギリの年商は
「まだまだ甘い」と一喝していただき、世界一大切な仕事は
お客様のことを最も最初に考えながらどれだけ満足してもらえるか
を考えることだと提案し、SEXは若ければ若いほどよい
と促し、そしてスマイルを大事にして気をつけて帰れよ、と言っていた。

途中、本当にどうしようもないことまで助言してもらったが、でも
これだけは言える。それは、彼らは何一つとして僕のためにならないような
言動は行わなかった、ということ。
それは目を見れば分かる。
それに、きっと彼らも自分の目の中にある何かを悟ってくれたから
こんなすんんんばらしいセッションを繰り広げてくれたのだろう。
目すら開いていない、爆睡時のナンパとはもはやわけが違うよ。

生粋の日本人であるにも関わらず、最後の最後まで自分達がユダヤ教を
崇拝していること。そしてこのような突発的な出会いこそが
ヒトの持ち得る最も大切な資産であることを
彼らは一番誇りに思っていたようだった。

自分も全くそう思う。
だから敢えて言うならば、あの夜、ナンパを企てていた彼らに
絡まれてしまった出会いは、どこかで必ず自分のために力を発揮してくれる
基になる気がしてしょうがない。

 ちょっとすっきりした。


PS
 家に帰宅し、どうもダビデの星と三人組が頭に引っかかっていたので、
 思わずgoogleで検索してみた。。
 すると、思いは的中。  なんと"three wise men"は聖書に登場する
 キリスト教の人物達だったのだ。
 Wikipediaによると、"三人のMagi/wise menとはキリストの誕生を祝うために
 遥か東方からイスラエルに向かった人達"ということだった。
 名前はそれぞれ Caspar, Melchior, and Balthasar。
 当時はmagiという言葉は魔術師という職ではなく、
 知識人や、王権にあたる人々のことをさしていた、ということだ。



 どうやらとんでもないモノ達にあってしまったな。。。
by eclipseted | 2005-11-06 02:01 | [友people達]
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