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on this kiss
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とてつもなく熱いキスだ。
臨場感すら漂うこの一シーンは、じっと
眺めていると虜になりそう。
背景の灰色の膨張する重さと文字の雨粒にとけ込んで
なんら違和感を覚えさせないこのキス。

自然で気持ちよい。

(ちなみにこれはきみに読む物語という
最近上映され始めた洋画)

日常生活において、二人の人間が揺るぎない愛を確かめるために
キスをしているのを見る機会は滅多にない。
公共の場における羞恥とはまったく無縁な、
気持ちに相応する愛情表現をしない暗黙の了解に
他ならない文化の寂しさとも言えようか。
個人的に、表現豊な国に滞在する期間がこれまで
生きてきたなかであったから、ごく毎日の
ように見る景観だったけれど
(鮮菜売り場で半透明のポリ袋にリンゴをいれながらキスをするなっ)
さすがに最近は公共の場でキスをしている二人が
いると、こちらが照れてしまう。

順応っていつも不思議

そういえばそもそもキスって、誰にも習う事ができない
ものだね。中学校で友達が”付き合い始めた”と言って
kiss and talkで泊まりの夜は持ち切りになり、
みんななにかしら憧れるこのキス。
でも少し考えると、とてつもなく親密で稀で
ある体験であることに違いない。
練習もないまま実際にこの体験に直面すると、
ある意味知人の高揚した自慢話、
映画やテレビで誇張されすぎたこれに接してきたおかげで
いたってやっかいな状況になりかねない。

そもそもどちらが最初に動き出すのか。
どこに焦点を合わせたらよいのか。
唇が乾いていたら嫌われるのか。
歯があたってしまったら、
ましてや矯正が絡まってしまったら。。。

悩みはつきない。

とてつもなく親密で、稀な体験。
練習ができないこんな動作って、あまり
他に類がないという点で大分興味深い。


生きている上で練習できずに本番を迎える体験って
ほかにも多々ある。
観衆の顔がどうしてもじゃがいもには見えない
プレゼンテーションとか、初めてなまいきにも家出
をする時とか、補助なし自転車に(しかも一人で)乗る時とか。
まったく無謀で、無防備だけれど体験する事でしか乗り切れない
関門。赤ん坊ってその点、とてつもなく生命力が高いのだろう。
人間で生きるってことも結構大変だと思う。


そんな体験が懐かしく思えてしまわぬように。
そんな体験が嫌いに思えてしまわぬように。
毎日ちょっとずつ自分をビビらせていきたい。
by eclipseted | 2005-02-07 23:15 | [練training習]
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