on winter non-wonder land
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セーターを着た。
この赤いセーターはおそらく三月以来だろう。
ひとサイズ小さい薄水色のTシャツの上に
羽織るそれは去年のシーズンの香りを
宿る、いささかな異端児。しかし産毛に
こすりあう羊毛の違和感は、確実に去年の
感触を彷彿とさせ、そしてやがては
まるでこれ以上ふくれあがることのできない
餅が熱い空気の固まりを噴出しながら
しぼんでいく時の落ち着きと化していく。
纏った気泡の層が次第に体温に暖められて、
体と外界との間には新しい保護膜が出来上がる。
それは今の季節にはまだいささか必要以上に
快適すぎる分離帯となってつきまとう。
しかし直にこの保護膜を多数重ねあわせても
快適になることが許されないほどの寒い日々が
訪れる。時としては灰色で、突き刺さる、密度の
濃いもやとしてあたりの音色を奪う。そんな冬がくる前に
僕にはやることがたくさん残されている。
まだ必要以上に動ける今日、そのうちの少しでも
手をつけてしまわないと、きりぎりすに徒競走を
強いられるはめになる。
それなら僕はあえてありとなることを選ぶ。
少しでも多くの空気保護膜を纏って、長く勢力を
保ち続けるんだ。いつまでもゆったりと時流に
のっていてはだめになるから。その前に行動するのだ。
わかったね。
わかってなくても、わかってくれ。
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by eclipseted | 2004-10-20 01:31 | [発insights想]
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